通常病院や診療所などで受けられるリハビリを自宅で受けられる訪問リハビリをご存知ですか?
現在の日本において、
最近では家にセラピストが訪問しリハビリできるサービスが流行ってきています。
今日はそんな訪問リハビリの特徴や訪問リハビリをやるための流れをご紹介いたします。
そもそも、訪問リハビリとは?
一言でまとめるとセラピストがお宅に訪問するサービスとなります。
通院・通所が困難であることと主治医が訪問リハビリが必要と判断した際に利用ができます。
訪問リハビリのメリット
訪問リハビリのメリットは以下の通りです。
- リハビリによって運動機能の改善や日常生活が送りやすくすることで生活の質(QOL)の向上を目指せる
- 自宅にセラピストが訪問することで、通院や通所だけでは見られなかった自宅環境も把握できる
- セラピストは自宅環境も配慮しながら的確なアドバイスをしたり、利用者本人に合わせたリハビリプランを作ることができる
上記の通り、
通所でリハビリを受けるだけでは介入できないところにアプローチをかけることができます。
必要に応じて、福祉用具の指導や住宅改修のお手伝いやサポートも可能となります。
訪問リハビリを受けるためには?
訪問リハビリを受ける為にはいくつかの条件を満たさないといけません。
1、主治医の認可
主治医が訪問リハビリを必要と判断しない限り利用はできません。
介護保険での利用するためには三ヶ月に一度、
医療保険の場合一ヶ月に一度、診療情報提供書または指示書の発行をしてもらう必要があります。
どの保険で訪問リハビリを行うのか
介護保険での訪問リハビリサービスを利用する場合、
まず介護認定を受ける必要があります。
要介護1以上の認定→介護保険での訪問リハビリサービス、
要支援1・2の認定→介護予防訪問リハビリサービスが可能となります。
また、65歳以下であっても40歳以上で特定疾患にて介護認定を受けていれば
介護保険での訪問リハビリが利用可能となります。
なお、40~64歳で特定疾患がない人や、
65歳以上でも介護認定を受けていない人は医療保険での訪問リハビリを利用することになります。
ただ、医療保険でリハビリを行う訪問リハビリ事業所は少ない傾向にあるので、
わからないときはかかりつけの医師のところで指示を仰ぐようにしてください。
訪問リハビリにおいての医療保険と介護保険の違い
以下に医療保険と介護保険での訪問リハビリの違いを書いていきます。
どれくらいの頻度利用が可能なのか
介護保険での利用の場合,,,
20分=1単位で週に6単位まで可能となります。1回40分(2単位)で利用するなら週に3回までが限度となります。
また、退院から3ヶ月以内(退院日から起算)に訪問リハビリを利用する場合、週に12単位まで可能です。
医療保険での利用の場合,,,
医療保険は介護保険同様に週6単位までとなります。
しかし、末期の悪性腫瘍など場合においては算定設定がないため、
週に6単位以上利用することが可能となります。
医療保険の場合も退院から3ヶ月以内(退院日から起算)に訪問リハビリを利用する際、
週に12単位まで可能です。
また、急性増悪時の場合は6カ月に1回、
14日以内限定で1日4単位まで受けられるようになっています。
利用頻度の決定について
介護保険での利用の場合,,,
訪問リハビリの利用頻度は、利用者の状態・環境に合わせてリハビリテーション計画書に基づいて決まります。
計画書は3ヶ月ごとにアセスメントを実施し、家族とともに話し合いながら利用頻度の見直しを図ります。
医療保険での利用の場合,,,
使用頻度の決定においては主治医との相談によって決定されます。
施設への訪問について
介護保険での利用の場合,,,
特養・老健・介護医療院・介護療養型医療施設を利用している人は訪問リハビリを利用できません。
医療保険での利用の場合,,,
施設への訪問リハビリは介護保険同様に基本的には行うことができません。
以上のことを踏まえて、介護保険での訪問リハビリを希望される方は、
まず、担当のケアマネージャーに「訪問リハビリを利用したい」という旨を伝えましょう。
医療保険での訪問リハビリを希望される方は、
担当のケアワーカーさんか主治医に一度相談してみましょう。
①主治医の診察とリハビリ医師への情報提供
訪問リハビリを利用するためには、まず主治医の診察が必要になります。主治医に「訪問リハビリを利用したい」という旨を伝えて 認可をもらいましょう。
主治医が診察結果をもとに訪問リハビリの利用は適切か判断します。
訪問リハビリの認可を得たら主治医が診療情報提供書を発行し、リハビリ指示医へ情報提供をします。
※リハビリ指示医は規模の大きい病院にリハビリテーション科に在籍している、
もしくは地域の訪問リハビリ事業所に在籍している医師です。
②医師による診察とリハビリ計画書の作成
主治医からリハビリ指示医へ情報提供されると、今度はリハビリ指示医の診察を受けます。
主治医から提供された情報とリハビリ指示医が診察した結果を照らし合わせてリハビリ計画書を作成していきます。
③訪問リハビリテーション職員にリハビリ計画を伝達
リハビリ計画書が作成されたら、
続いては契約したリハビリテーション職員に計画書が伝達され、その指示に従いリハビリをします。
リハビリが実施される前には担当者から本人と家族へどういった内容のリハビリをするのか説明もあるので安心です。
この時、ケアマネジャーは訪問リハビリをケアプランの中に組み入れて保険適用でサービスが利用できるように調整してくれます。 不安なことがあればリハビリ担当者もしくはケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
④リハビリの実施
上のステップが終わり、訪問の日程を調整したら、
その日にリハビリ担当者が自宅を訪れ、健康状態の確認からスタートです。
体温・脈拍・呼吸・血圧などを測定し、今はどんな症状があるのか、
精神的な健康状態はどうかもチェックしていきます。
場合によっては介護者である家族の健康状態もチェックされます。
健康状態の確認が終わってリハビリをしても問題ないと判断されたら、
その日のリハビリがスタートします。
身体機能訓練から日常生活における指導まで、内容は計画書に沿って実施されます
リハビリの種類とは?
理学療法士:福祉用具導入や使い方のアドバイスのほかに、運動やマッサージなどによって、
日常生活に必要な「立つ」「歩く」などの基本動作をの回復を目指します。
作業療法士:家事や手芸など日常生活における作業動作の獲得によって心身機能や社会適応力の回復を目指します。
身体の機能維持はもちろん、精神的なケアも両立しているので、認知症やリハビリに対する意欲が低い人に向いています。
言語聴覚士:発声や発語などの言葉の訓練を行ったり、嚥下機能の回復を目指して介入しています。